支払可能見込額とは?割賦販売法の支払可能見込額の算出方法とは
支払可能見込額とは、クレジット利用者の年収や生活環境から、1年間にクレジットカードの支払いに充てることができるであろう金額を指します。
支払可能見込額の算出は、割賦販売法で定められた法律上のルールの1つとなりますので、原則として支払可能見込額を超えたクレジットカードの利用はできません。
また、自動車ローンや家具・家電などのローンについても、支払可能見込額を算出した上で、ローンの利用が可能かどうかを判断することとなりますので、クレジットカードだけではなく、その他のローンについても、原則として支払可能見込額を超える利用はできません。
目次
支払可能見込額とは?支払可能見込額の算出方法とは?
支払可能見込額とは、クレジットカード利用者が、1年間にいくらまで支払いができるのかを定めた法律上のルールです。支払可能見込額の計算方法は、「年収-生活維持費-クレジット債務」で算出することとなります。
年収について
年収は、自己申告によって決まります。クレジットカードの利用では、原則として年収は自己申告としていますので、申し込み時に収入証明書の提出を求められることはありません。あくまでも自己申告による年収を元に、支払可能見込額を算出する流れです。
ただし、クレジットカードのキャッシング枠については、割賦販売法ではなく、総量規制が適用されますので、年収の3分の1を超えるキャッシングは利用することができません。
また、総量規制では収入証明書の提出によって年収を確認する義務がありますので、クレジットカードのキャッシング枠を利用する際には、自己申告ではなく収入証明書の提出を求められることがあります。
生活維持費について
生活維持費は、様々な要因によって異なります。たとえば、結婚している方と未婚の方では、結婚している方のほうが毎月の支出が多くなります。子供がいる家庭では、さらに毎月の支出が増加しますので、結婚している方と未婚の方では、同じ年収だったとしても1年間に支払いができる金額が大きく異なるようになります。
また、実家暮らしの方と一人暮らしの方でも、毎月の支出は大きく異なります。一般的に実家暮らしのほうが、家賃や光熱費などの支出がありませんので、実家暮らしの方と一人暮らしの方では、同じ年収だったとしても、1年間に支払いができる金額が大きく異なるようになります。
その他、住宅ローンの有無などによっても、年間で支払いができる金額が異なりますので、生活維持費については住んでいる地域ごとに金額が異なります。
クレジット債務について
クレジット債務は、現在利用しているクレジットカードのリボ払いや分割払いで、1年間に支払う合計金額がクレジット債務です。たとえば、クレジットカードのリボ払いで毎月3万円の設定をしている方では、「3万円×12ヶ月=36万円」がクレジット債務になります。
これはクレジットローンの利用も同じで、毎月自動車ローンで2万円の支払いをしているなら、「2万円×12ヶ月=24万円」がクレジット債務です。複数のクレジットカードやローンを利用している場合には、利用している全てのローンを合算してクレジット債務を算出します。
クレジット債務は、あくまでも複数回に分けて支払いをするものが該当となりますので、クレジットカードの一括払い(一回払い)はクレジット債務の計算からは除外します。
クレジットカードの利用限度額の決め方とは?
支払可能見込額の算出方法は、先ほどの「年収」から「生活維持費」と「クレジット債務」を引いたものが支払可能見込額となります。
そこで、実際にクレジットカードで利用できる限度額については、支払可能見込額に0.9をかけたものが、クレジットカードやローンの利用限度額となりますので、カードやローンの申し込みをした際には、上記の計算方法によって利用限度額が設定されます。
たとえば、年収300万円で一人暮らし(家賃負担あり)なら生活維持費は116万円ですから、クレジットカードやローンを何も利用していない場合は、「300万円-116万円×0.9=165.6万円」となり、クレジットカードやローンなどで利用できる限度額は165万円となります。仮に、クレジット債務が50万円あるということなら、「300万円-116万円-50万円×0.9=120.6万円」ですから、クレジットカードやローンの利用は120万円までが限度額となります。
カード会社や信販会社は上記の計算方法により、申し込みを行った方の利用限度額を算出した上で、限度額を超えない範囲内でカードを発行することとなります。
クレジットカードの利用限度額は定期的に見直される
利用限度額の調査は、クレジットカード、又はローンの新規申し込み時はもちろん、クレジットカードの更新時、クレジットカードの増枠時にも行いますので、毎月の支払いに遅れや延滞がなくても、利用している金額が多いと、クレジットカードの利用が停止されることがあります。
クレジットカードの利用が多い、ローンの残高がかなり残っているという際には、クレジットカードの増枠申請は行わないほうが良いでしょう。
また、カード更新時も利用限度額を調査しますので、カードの更新が近くなったらクレジット債務を減らす工夫も必要と言えるでしょう。
クレジットカードやローンの利用は、何も知らずに申し込みをすると、場合によっては審査で断られることとなります。申し込みを行う際には、事前に支払可能見込額を確認することが重要です。